2012-09-03
領土問題「尖閣諸島・竹島問題について」
- 2012-09-03 (月)
- ニュース
「どちらの言っていることが本当なの?と思っていましたが良くわかりました!」と参加者のみなさんの感想でした。以下、講師・石井耕太氏のお話をQ&Aにまとめてみました。ご希望の方は、支部に資料がありますので申し出てください。
- Q
- どの国の領土かは何によって決まるの?
- A
- 領土の領有は、「先占」、「主権の継続的で平和的な発現」が要件で決まります。
※「先占」の国際法上の条件は、下記の3点が重要な要件です。
- 占有の対象が無主の地であること。
- 国家による領有の意思表示をすること。
- 国家による実効的な支配があること。
「主権の継続的で平和的な発現」とは、この領有に対して歴史的に異議が唱えられてこなかったこと。相手国の占有の事実を知りながら、反対の意思表示をしなかった場合は領有を黙認したとみなされます。
- Q
- 尖閣諸島については、どうだったの?
- A
- 尖閣諸島は、1895年1月14日に日本が領有を宣言し、その後も実行支配して来ました。日本政府は、1896年に古賀辰四郎氏に尖閣4島を無料で貸すことを許可、最盛期には200人近くが住んでいました。
1919年には、魚釣島付近で遭難した中国漁民を住民が救助、中華民国長崎駐在領事からの感謝状には「日本帝国沖縄県八重山郡尖閣諸島」と書かれていました。これを持っても、中国側は、尖閣諸島は、日本の領土と認めていたことがわかります。
解決するためには、日本政府が、歴史的にも国際法上も明確な根拠があることを、国際社会と中国政府に対して、理を尽くして主張することです。
- Q
- 竹島については、どうですか?
- A
- 竹島は、竹島でアシカ猟をしていた中井洋三郎氏が「貸し下げ願い」を出した事を受けて、1905年に日本が領有を宣言しました。その後、1952年まで、日本の領有宣言にはどこからも異論が出されませんでした。
1952年1月に韓国政府は、「李承晩ライン」(※) を一方的に設定し、竹島をこの中に取り込んで韓国領である都市、「独島(竹島のこと)は歴史上完全な韓国領土であり、日本はこれを奪った」と主張し続けている。しかし、これには、歴史的にも国際法上も根拠はありません。
- Q
- 1951年のサンフランシスコ平和条約で竹島が韓国領になったと主張する人も?
- A
- サンフランシスコ平和条約は、竹島の帰属については何も定めていません。
日本が竹島の領有権を主張することには歴史的な根拠がありますが、日本が領有宣言を行った1905年は、日本が韓国を植民地化する過程が進んでおり、韓国は外交権を奪われていたため、異議を申し立てる条件がなかったという問題があります。
日本政府は、韓国併合=植民地支配を不法と認めていません。韓国国民の側からは、この問題が「侵略の象徴」となってしまっています。問題の解決は、日本政府が植民地支配の不法性、誤りを認め、その土台の上に協議を呼びかければ、歴史に基づく冷静な話し合いが可能になり解決の展望があります。
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